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2004年明治神宮大会
試合観戦レポート





Naokiさん (2004年11月15日)
■観戦した球場
明治神宮球場

■ランニングスコア
福 井 商 020 000 000|2
愛工大名電 200 112 00X|6


■観戦レポート
 去年「愛知県の高校野球」で観戦記を書かせていただいたものです。

 私自身は愛知県出身で大学で東京に来るまでは愛知県に住んでいました。愛知県の高校野球はいつも気になって、しばしばホームページを拝見させていただいております。

 普段は愛知県の高校の野球を生で見る機会がありませんので、明治神宮に郷土の愛知県の高校が来てプレーするのを楽しみにしています。今年も東海大会を勝ち上がって、去年と同じ愛工大名電が出場するとのことで楽しみに見に行きました。

 昨年、明治神宮で名電を見た時は、従来の「豪打であるが荒削りな名電」とは、かなり変わっていたのでびっくりしたものです。愛工大名電を生で見るのは、1年ぶりです。今年はどんなチームになっているのか興味津々です。私の今年の興味は、去年の「ニュー名電」を踏襲するのか、それとも「従来の名電」に戻っているのか、はたまた、また「別物の名電」が見られるのか、でありました。

 今日はどんよりした曇り空。肌寒い。今にも雨が落ちてきそう。試合は神宮球場で、午前8時半開始。

 1回裏早くも試合が動く。愛工大名電、2番柴田三塁線のヒット。3番小島バントの構え。0−2から一塁柴田盗塁。その後小島四球を選ぶ。1死一,二塁。ここで4番堂上バント。走者二、三塁。1死一,二塁からの4番のバントは意外であったが、これは去年しばしば見られた「ニュー名電」作戦であった。5番山田センター前ヒットで2者生還。結局二,三塁に送ったのが生きたといえる。

 2回表、福井商業。4番が右前ヒット。5番が2球バント失敗し、結局3振。6番レフト前ヒット。1死1、2塁。ここで7番左中間3塁打。2者生還。福井商業もするどいあたりを飛ばしている。

 2回裏、名電。6番斎賀三塁打。7番花山四球。8番井坂の時、花山2盗。その後井坂四球で満塁。無死満塁。石黒は一塁ライナーでダブルプレー。1番佐々木遊ゴロで、結局、無死満塁の好機を生かせなかった。

 3回裏、名電。2番柴田、相手投手と一塁の間にセイフティーバント。相変わらず、去年同様、柴田は足を生かしている。3番小島、三塁線バント。一塁セーフで無死一,二塁。4番堂上、1回に続き三塁前送りバント成功。5番山田は四球で、2回に続き1死満塁のチャンス。しかし、ここで6番斎賀遊ゴロでダブルプレー。2,3回と押し気味だが、点が入らない少しいやなムード。

 4回裏、名電。7番花山バントを失敗した後、四球を選ぶ。福井商業ピッチャー林、四球が多い。8番井坂の時にけん制悪送球で、一塁ランナー3塁まで進む。井坂三振。9番石黒の時にスクイズバントを試みるが3塁ランナーアウト。今ひとつチグハグナなプレーが続き、この回も無得点かとも思われた。1番佐々木の時、ワイルドピッチ。

一塁ランナー二塁へ。ここで、佐々木が中前ヒットで二塁走者生還で1点をやっと入れた。

 5回表、福井商業。2死満塁のチャンスがあったが、名電守備も安定していて、しのぐ。名電斎賀投手も落ち着いている。

 5回裏、名電。3番小島左中間二塁打。去年のチームは上位下位に関係なく最初からバントの構えをしていたことがかなりあったが、今回のチームはそのような印象はあまり受けなかった。打つべき時はじっくり打っている感じがした。4番堂上二ゴロ。その間に一塁ランナーサードに進むもタッチアウト。5番山田の時、一塁ランナー堂上二盗成功し、球がそれる間に三進。山田の投手強襲安打で1点追加。その後、6番斎賀右前ヒット。7番花村死球。1死満塁のチャンス。ここで、8番井坂、9番石黒、三振。  

ここまで、ヒット10本、四死球6、エラー2なのに4点のみ。下位打線に1本が出ない。

 6回表、福井商業。2アウト三塁までいくも、斎賀抑える。

 6回裏、名電。福井商業投手交代。林から斉藤へ。1番佐々木、ライナーで抜ける右中間三塁打。2番柴田、中前に抜けるしぶいヒットで1点得点。3番小島の時に柴田二盗。4番堂上三塁強襲ヒット。1死一,二塁。5番山田、バントの構えの時に、二,三盗。この時あわてた捕手が二塁へ悪送球で柴田帰って追加点。足を絡めた作戦で相手のミスから追加点した。

 7回表、福井商業。2死一,二塁になるも、斎賀踏ん張り無得点に。

 7回裏、名電。先頭打者6番斎賀、中前ヒット。バントで二塁へ。しかし、後続の下位打線がつながらず無得点。
 8回表、福井商業。2死一,三塁になるも、斎賀三振で切り抜ける。斎賀は安打を打たれるも、大きく崩れる感じがない。落ち着いたピッチング。

 8回裏、名電。二塁まで走者を進めるかが無得点。

 9回表、福井商業。3者凡退。


1.両チームとも、なかなかいいところで打てなかったが(ちなみに両チームとも残塁10)、全体的には終始名電ペース。名電は、あまり、負けそうな気がしなかった。福井商業の林投手は、球速が最高で144キロぐらい出ていたと思う。力を感じさせる投手であった。ただ、名電のうまい攻めもあったと思うが、四死球やエラーも重なり崩れていった。


2.名電の選手を見て思ったのは、選手が大きいことであった。大型チームである。スターティングメンバー中5人が180センチを越えていた。大きい割には、俊敏さも兼ね備え、粗っぽいイメージはなかった。

 個々の選手で見ると、まず、柴田が落ち着いていた。去年見た時はサードを守っていたが、線が細く、今ひとつ安定感に欠けている印象を持っていた。今年はショートで動きが良かったように思う。また、足を生かした攻撃、バッティングは去年よりさらに磨きがかかっている気がした。ずいぶん自信に満ちているように見えた。私には、この選手は「ニュー名電」の代表に思える。

 去年のメンバーで残っているのはもう1人、佐々木であった。もっと中軸を打つと思っていたが、1番打者なのは意外な気がした。去年の印象は、勝負強い打者だなということであったが、今年も鋭い当たりを飛ばしていた。

 堂上の1年で4番には驚いた。守備は落ち着いて無難にさばいていた。2度のバンドもしっかり決めていた。盗塁も決め足も速そうであった。ものおじしないタイプの印象を受けた。

 下位打線がふるわなかったのが少し残念だった。名電は14本安打を打ったが、そのうち7〜9番では1本しか打てなかった。特に好機で回ってくる場面が多かったので、その点が、安打数、四死球、相手エラーが多かったにもかかわらず、名電に点数が入らなかった原因のひとつに挙げられそうである。次回に期待しようと思う。

 斎賀投手は球速130前半から中盤であった。安打も打たれていたが、粘り強い投球で落ち着いていた。去年の大会では、決勝の大阪桐蔭戦で先発のマウンドに上がっていた。エース丸山の連投を避けるための意味合いもあったのだと思うが、4回途中まで投げ、2失点した。今年の斎賀投手は、安打は打たれたものの要所を締め、去年の丸山と同様大崩れしない印象を持った。


3.福井商業の選手や関係者の話を聞いたところ、斎賀投手の変化球を打つのが難しかったとのことだった。チャンスが多かったのだが(残塁10)、ここ1番で安打が出なかったことを悔やんでいた。確かに、1本出ていたら、状況は変わっていたのかもしれない。

 ただ、福井商業側の印象として残ったものは、なんと言っても名電の攻撃の方であったようだ。特色として、第1にバント、第2に走ってくること、第3に攻撃全体がいやらしかったこと。総合すると洗練されたいやらしさがあることだそうだ。全般的に愛工大名電の雰囲気に飲まれていたとのことであった。
  

4.去年明治神宮大会で優勝し、そのままの勢いで、春の甲子園で準優勝したのは記憶に新しい。私としては、準優勝時の甲子園での戦い方の基本は、去年の神宮大会に原型があるような気がしている。「ニュー名電』である。そして、「ニュー名電」が神宮大会で自信と確信を持ち、甲子園に乗り込んだ気がする。

 では、今年の新チームはどんな名電なのか?去年の「ニュー名電」を踏襲するのか、従来の「豪打であるが荒削りな名電」に戻っているのか。それとも「別物の名電」が見られるのか。

 私の見た範囲では、「ニュー名電」を踏襲しつつ、さらに発展し、進化している、『洗練された名電』になっているのではないかと思う。去年の名電より、攻め手をさらに増やし総合的に強くなっている気がする。

 去年は、とりあえず上位下位関係なくバントの構えをしたり、実際バントをしたりしていた。まさに徹底したバントをしていた。打順にそれほど関係なく、セイフティーバントが多かった気がする。今年は打つべき時はじっくり打ちにいっている気がする。バントもむやみにするというより、相手の嫌がるところでするという感じを持った。この点は去年と違うと思う。

また、積極的な走塁が目に付いた。去年の大会では、次塁を狙うというよりは、塁にランナーをためておくことが多く、その結果、得点にならないこともあったように思うが、今年は盗塁も含めて積極的な走塁が目に付く。それが、相手のミスを誘うことにもなって得点に結びつく場面もあった。

 試合終了後、名電の選手たちは、神宮球場のスタンドで次の試合を見ながら、お弁当を食べていました。その姿を眺めていると、選手たちがずいぶん余裕があり、自信を持ってきているような印象を受けました。頼もしいと思いました。