ドミネーターマフラー加工(RD02)


ドミネータ−のノーマルマフラーの音は少々頼り無い。カブの親分というか、田舎のおじいちゃんの耕耘機に似ているトボトボ音である。本来ならスーパートラップ2本出しをワンオフでシブく決めたいところだか、結婚し子供までつくってしまっている今の状況では、家族から非難の罵声を浴びせられるのは必至である。(オールペンで学習済み)
マフラーに穴をあけてしまうという構想は以前からあたため続けていたわけだが、なかなか実行には踏み出せないでいた。前例は無いし、だいいち30過ぎのいい大人がバイク屋に「あの〜マフラーに穴を開けてください〜」なんてとても恥ずかしくて尋ねられない。
そんなときに読んだのがリリーフランキーさんのエッセイ。
車関係の雑誌に「好きな車に照れずに乗ろう、やりたいことはすぐやろう」みたいなことが書いてあって、70万で買ったセンリュリーをピンクに塗って乗っているらしい。それを読んだ僕は「マフラーに穴を開けたいなら、開けてしまえ、好きなようにやろう」と自分流に解釈したのだった。
しかし不安もまた山ほどあるのだった。

不安1 パワーは落ちないか
マフラーに穴を開けた結果、パワーが上がることは全く期待していないが、低速トルクがなくなってしまったり高回転迄まで回らなくなってしまう可能性は大いにある。以前DT125のサイレンサーに穴を開けた時は、全く吹け上がらないエンジンになってしまったというおマヌケな経験がある(音はでかくなった)。ただ今回は4サイクルだしシングルだ。2サイクル程はシビアじゃないであろうと勝手に解釈。ドミなら多少トルクが減ってもへっちゃらだもんね。

不安2 音が大きくなりすぎないか
気持ちよいサウンドになればよいが、ただバカでかいだけのゾッキーでは困る。しかしその可能性は大きい。ノーマルマフラーに穴を開けるだけでいい音になるならアフターパーツメーカーなどいらないのだ。しかし耕耘機の音からどうしても決別したい私は失敗覚悟で果敢に挑戦。排気音を確認しながら少しずつ穴を広げていけばなんとかなるでしょう。

不安3 車検は通るのか
ちまたでは結構おおきな音のティーダバーが走っているから、この点は大丈夫だろうと勝手に解釈。(よく考えたらTWは車検が無い。あとで気がついた)もしだめなら、車検の時だけ穴に詰め物をしましょう!?

不安4 どこに穴をあけるか
なるべく目立たないところがいい。マフラーのドテッ腹に大きな穴が開いていたら、白バイに止められたとき言い逃れができないし、かなり恥ずかしい。そこでマフラーエンドから穴の中を懐中電灯でのぞいて見ると突きあたりが塞がれていることに気がついた。木の棒を差し込んで量ってみると20cmあたりで行き止まり。マフラーの全長は40cmほどあるから、このむこうに膨張室があるのだろうか。ここを突き破ってしまうことに決定。

■穴を開ける位置を決定したので今度は開ける方法だ。

方法1 先の尖った鉄の棒を突っ込んでガンガンたたく。
この方法が一番手っ取り早いが、排気もれやステーが曲がってしまったりしたら、安くていい思いをするつもりが逆に出費がかさんでしまったのでは元も子も無い。却下。

方法2 アセチレンガスで焼き切る
20cm奥のパイプの突き当たりを突き破るということが果たして可能なのか?知り合いに聞いてもわからずじまいで却下。

方法3 鉄工ドリルで穴を開ける
20cmもの長い鉄工ドリルはないので、鉄棒を溶接して延長させなければならない。しかし15φの鉄工ドリルは高価だし、まっすぐ溶接するのも大変だ。

方法4 木工ドリルで穴を開ける
木工ドリルなら15φ25cmのが1280円で購入できる。木工ドリルで鉄に穴が開くかどうかは不明だが、2つ開けるだけならなんとかなるだろう。意地と根性で開けてしまえということで採用。

■買って来ました、木工用ドリル刃(株式会社スターエム製 ドリルビット木工用 15mm 近所のホームセンターで1280円で購入)

穴あけ1 さあ穴あけだ
日立のインパクトドリルの先に刃をセットし、さあ挑戦。まずは左のマフラーからとりかかる。刃の先にグリスをたっぷり塗り付けマフラーエンドに突っ込む。5分程でやっと小さな穴が開いた!



穴あけ2 エンジンをかけてみた
エンジンをかけてみたが、ほとんどというか全く変わらず。このまま作業を進めることにした。しかし木工用ドリル刃に対して相手は鉄だ、かなり手強い。40分かけてやっと貫通。ドリルの刃先はかなり減っていた。エンジンをかけてみるとアイドリング時はほぼノーマルと同じだが、回転をあげると元気でクリアーなサウンドだ。うっうっうれしいぃぃぞぉぉ。気を良くして右のマフラーの穴あけにとりかかる。 

穴あけ3 右はなかなか開かない
刃はだいぶ減ってしまっているから、小さな穴さえなかなか開かない。ドリルのモーターが高熱になり、さましながら作業を続ける。穴が開くのが先か、ドリルが壊れるのが先か心配だ。1時間ほど経っただろうか、あきらめかけた直後、刃がマフラーに吸い込まれるようについに貫通。身も心もへとへとである。

■早速試乗だあ

試乗1 加速時の音は最高!
アイドリング時は低音を含んだ太い排気音、音量はノーマルと同じレベルである。ひとたびアクセルを開けるとビックシングルらしい弾ける乾いたサウンドが周囲に響く。心配していたトルクの落ち込みもないようだし7000回転まできっちり回る。心配していたバックファイヤーも起こらなかった。
一定速での走行ではノーマルと同じ音量なので、町中をゆっくり流す分には気兼ねをしなくて良いでしょう。あくまでジェントルマンが基本なのだ。

■追加作業

パイプを貫通させた後、穴の奥を覗くと入口の所から26cmの所にもう一枚パンチングメタルの壁があった。15φ25cmのドリル刃では届かないので18φ30cmのドリル刃1580円(写真上)を買って来てここにも穴を開ける。音が若干クリアーになった感じです。
ここは開けなくても良かったかも知れません。

■その後のドミネーター

穴を開けてから200kmほど走りましたが今のところ異常はありません。音が良くなっただけでバイクに乗るのが以前よりもっと楽しくなりました。例えるなら、ドミネーターの外装をつけたXR600Rって感じでしょうか。(音の雰囲気だけですが)

【ご注意】
万一ここに記載された方法で改造する事によって不利益が生じた場合、筆者は責任を負いかねますので、ご自分の責任で作業をおこないましょう。
また、この作業にはたいへんな筋肉痛が伴うことを覚悟しましょう。

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