【合成蝋】

天然木蝋の代替品として使用されている。
天然木蝋のハゼの実は日本を中心として生育する樹木であるが、近年その生育範囲が限定されてきていると同時に、その採取に要する人手不足もあり、ハゼの実の採取は減少傾向にあることなどの理由から開発された。
ただし天然国産の木蝋の優れた燃焼性には及ばず、また油煙も多いとされている。

合成蝋は脂肪酸グリセライドと酸化ワックスとを必須成分として含有するロウソク組成物である。
脂肪酸グリセライドの脂肪酸は炭素数10〜30、酸化ワックスは炭化水素類の酸化物であり、脂肪酸グリセライドと酸化ワックスの混合割合は20〜98重量部:2〜80重量部、融点は40°C〜80°Cが望ましい‥‥となっている。

従来木蝋代替品は凝固点が高いために伝統的な手掛けが不可能であり、ろうそく成型機による流し込み製造しかできないという欠点をもっていた。
この合成蝋は、凝固点を低くすることによって手掛けが可能となったわけだが、天然木蝋を100%使用している松井本和蝋燭に比べ、伝統的な和蝋燭の風合いは失われていると言わざるをえない。

特   性
必須成分 脂肪酸グリセライド(20〜98)、酸化ワックス(2〜80)
融点 40℃〜80℃(が望ましい)

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