【和蝋燭の明るさテスト】

測定条件
 松井本和蝋燭工房で制作した和蝋燭の明るさを測定しました

測定時期:2006年1月〜3月
1..計測する場所によっても変わるので平均値を出しました。
2.外光に影響を受けないよう暗闇にて計測を行いました。
3.芯切りをせず30分間計測しました。
4.無風状態で計測しました。
5.今回、私一人で計測しました。
6.朱(棒)も白と原料が同じの為、計測しませんでしたが、明るさは同等と考えます。
7.伝統の和蝋燭は燈芯を使用していますので炎が一定でなく変化があります。炎に深みがあり幽玄の輝きがあります。計測結果は平均値を出しています。
8.洋ロウソクの芯は糸芯ですので炎は一定です。
9.型和ロウソクの芯は紙芯ですので炎はある程度変化します。(原材料にもよります)
10.炎を着けてから5分後の明るさを計測しました。
11.洋ロウソクの明るさも計測しました。(原料:パラフィン・糸芯)



測定機器
デジタル照度計
MODEL 52002
共立電気計器株式会社
測定単位:LX

測定結果

距 離
種類(太さ) 時間(分) 10cm 20cm
白(棒)2匁 5 100 40
10 80 30
15 60 30
20 40 20
25 40 20
30 30 20

距 離
種類(太さ) 時間(分) 10cm 20cm
白(棒)30匁 5 180 60
10 180 60
15 170 50
20 170 50
25 170 50
30 160 40

白(棒)3匁 5 100 40
10 80 30
15 50 20
20 40 20
25 40 20
30 30 20

白(棒)50匁 5 180 60
10 180 65
15 180 65
20 175 60
25 170 60
30 165 55

白(棒)5匁 5 110 60
10 100 40
15 80 30
20 60 20
25 50 20
30 40 20

白(棒)80匁 5 160 72
10 180 72
15 175 71
20 170 71
25 168 70
30 165 70

白(棒)10匁 5 140 60
10 140 50
15 140 40
20 120 40
25 80 30
30 60 20

白(棒)100匁 5 190 82
10 195 92
15 178 70
20 173 67
25 172 60
30 165 54

白(棒)20匁 5 160 60
10 160 60
15 160 50
20 150 50
25 150 50
30 140 40

洋ロウソク
大ロウ2号
5 50 19
10 50 19
15 48 18
20 48 18
25 47 17
30 47 17

和蝋燭は洋ロウソクに比べると、遥かに明るいという測定結果が出ました。

当工房において伝統の和蝋燭と洋ロウソクの明るさを測定し比較したところ、明るさにかなりの差が出ました。
文献によると、江戸時代には蝋燭が「灯り」主流と言われていますが、特別に和蝋燭が明るいというわけではなく、どちらかと言えば「ほの暗い灯り」で、柔らかく暖かさを感じるほのかなものと記載されております。
それでも、現在の洋ロウソクの明るさと比べるとかなりの明るさを持っていることが、今回の測定でわかりました。
和蝋燭は灯りに暖かさを持つだけでなく、明るさにおいても優れた蝋燭です。

※江戸時代には洋ロウソクが無かった時代ですので、文献等の「灯り」に関する内容は、全て和蝋燭に関係したものと考えます。洋ロウソク(パラフィンロウソク)は1870年にはじめて岩崎弥太郎が日本へ輸入しました。

和蝋燭職人 松井規有



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