三河すーぱー絵解き座の沿革

 弊会は、2005年に開催された愛知万博に向けて活動を開始。取り組んだのは、「21世紀に仏教は文化と情操の面で社会的存在であり得るのか」という課題。立場を超えてこれに共感する有志らが集結した。名付けて “三河すーぱー絵解き座” として旗揚げする。これが三河すーぱー絵解き座の原点となり、愛・地球博への企画主旨が座の設立趣意となっていく。

 戦国乱世、各地を遍歴する女たちがいた。飢えと戦渦で地獄を生きるほかなかった民衆に向き合っていた。女達を熊野比丘尼と言った。文字を知らぬ民に絵図を示して救いの手を差しのべていた。その説法を「ご絵解き」という。
 この世を生き抜く力、まして地獄を脱する道などは何によって開かれるのか。伝統によったご絵解きに固執することなく、新しい創作物語を語ることを措いていない。それが「OH! 絵解き座敷」という。-以下略-
(愛・地球博、市民プロジェクト参加趣意より)

 

釈迦如来絵伝図 愛知万博には9日間出演を果たし『熊野観心十界曼陀羅』の絵解き説教を披露する。その後、博覧会一周年記念行事に参加し名古屋市栄のオアシス21での模擬仏前結婚式を披露した。東日本を中心に大きな災害に見舞われた2011年。人心の復興に繋げようと法然上人800回忌記念説教大会、親鸞聖人750回忌を記念する説教大会を豊かな人材により別院や中核寺院を皮切りに各地で勤める。以来、仏教の社会性を前面に押し出す活動を試み続けている。
 万博、マルシェ、野外での布教を機縁として尾張地区へその範囲を広げつつ、旗揚げの地である西三河を中心に仏教絵画の絵解き説教は現代人にも新たな世界観を届け続けている。そして座員相互の活動の輪を広げるなかで大きな可能性を現代に示した。
いま絵解き座の例会には僧侶だけではなく仏教に興味のある方が自由に集まっている。 絵解きを実践する「座員」と絵解き座の勉強会に参加する「座友」より成る。多様性に満ちた構成員は現在30名弱を有する。