出向者紹介(昼の部)

【初席】 沓名奈都子氏
絵解き:釈迦如来絵伝
-浄土真宗本願寺派-


 2017年5月11日、本格的な夏を臨む愛知県は岡崎城二の丸能楽堂。心地よい風と共に響く沓名氏の第一声からその絵解きライブははじまった! その語りは高く評価され会全体の流れを決めた。今回の「Senju ji 絵解き説法」へと繋がった瞬間である。今夏は布教使として北海道に出向し、合計八日間の連続講義を情熱をもってやり遂げられた。その姿からは、自然に聞く者の深層意識を心地よく刺激する真摯な何かがある。この度の「絵解き説法」でも一番手で登場する。彼女の釈迦ご誕生の場面に注目した釈迦如来絵伝の絵解きにどうぞご期待ください。


【二席】 村上英俊氏
絵解き:一光三尊佛絵伝
-真宗高田派-

村上英俊氏

 真宗高田派本山 専修寺で、日々参詣の方々を迎え入れる役員の中に村上氏の姿がある。歴史的所産である建築物群とそこに所蔵される法宝物。気まぐれな浮き世にあって幾百年の星霜を経て護られてきたこれらの什物に、法を重ね説くことでいのちを吹き込むのが同氏である。2017年は愛知県の寺院を中心に一光三尊佛絵伝を携えて絵解き説教の縁を結んできた。5月11日、愛知県岡崎市で行われた「仏教絵解きライブ in 岡崎城二の丸能楽堂」にも出向。高田本山が所蔵する珠玉の法宝物を複製。同氏のみが専修寺より携えて出開帳(でがいちょう)することを許されている。今回も十八番であるこの掛け幅を臨場感をもって語り上げます。みなさまのお心に歴史ロマンが蘇るひととき。どうぞご期待ください。


【三席】 桝田英伸氏
絵解き:熊野観心十界曼陀羅
-浄土宗-

桝田英伸氏

 原始仏教の研究から念仏の実践まで幅広く研鑽を重ねてきた経歴をもつ。特に注目するのは、昼夜をそれぞれ六つときに刻む考えに基づき、正に四六時中念仏を称えるのが一昼夜念仏三昧の法会。このお勤めを古来の儀式作法(六時礼讃)に則り高田派の名古屋寺院で当会の仲間達と再現した。この企画には同氏の深い通仏教への造形が大きく寄与したものだ。この点で同氏の高田派寺院における活動は関係が深い。
 今回絵解きする熊野観心十界曼陀羅は、ご当地と関係が深く仏教に通底する掛け幅である。同氏は、地獄・極楽の日本における発展に深い関心を示し、その研究の一端をまとめたものが絵本「絵本極楽」である。熊野観心十界曼陀羅を構成する重要な要素となるのが地獄と極楽の場面。この掛け幅を余すところなく語り上げることのできる数少ない僧侶である。中世のひとびとの救いが蘇り、現代にも通じる教えが私たちのこころを捕らえて止まない。絵解き座がお届けする十界曼陀羅絵解きにどうぞご期待下さい。