絵解き座員:小山興圓
真宗大谷派(東本願寺)
『 黒白二鼠図(こくびゃくにそず)』
敗戦の憂き目に遭い逃げ込んだ大樹寺境内。先祖の墓前で自身の不甲斐なさを詫び自害せんとする元康。その訳を聞いたお上人のことば。「武門の誉れのために天下の国を奪うなど、これ奸盗(たちの悪い盗賊)の所業とどこがちがいましょうか。」現実からの逃避をテーマにした画材。旅人は悪象から逃れ木の根を伝って古井戸の中。四方には毒蛇、底には竜が力尽きる旅人を待つ。頼りの根は二匹(黒/白)の鼠が囓る。そのとき蜂蜜が旅人の口へ降ってきた。さあ貴方ならどうする。そこに救いはあるのか。

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