絵解き座がお届けしました夏期の特別企画。名古屋大学の教授阿部泰郎先生の公開講演会です。大変蒸し暑い中をお越し戴き有り難う御座いました。講演内容を以下に掲載します。
阿部先生より事前にご承諾を戴きましたので、杭全神社(くまたじんじゃ)に伝来する全十幅の聖徳太子絵伝を公開させて戴きました。画質は引きの絵ですので全体の構成を楽しんで戴ければ幸いです。大変大部かつ彩色も保存状態がよく見応えがあります。阿部先生の話によりますと、この絵伝(室町後期の制作)が伝わった由緒は、神仏習合の時代に遡ります。当時、仏教のほとけを同時に祭祀していたところ何らかの理由で神社側所蔵の什物となり伝わったもの。ほとけを護持していた伽藍は、全興寺として分立して現在にいたっています。しかし神社側に絵伝が伝わった詳しい経緯は不明だとのこと。一方で什物として活用することが全くされず、手に負えない状態で日の目を見ないまま所蔵されていました。この為、良好な状態で今日まで伝わっているとのことです。大変皮肉なことです。現在でもあまり世間に出回っておりませんので是非ご覧下さい。
※講演の内容が動画として視聴できます。(1h12m) youtubeによる配信システムへリンクします。
- 期日: 平成29年7月5日
- 種別: 夏期特別企画 公開講演
- 時刻: 19時~21時
- 場所: 安城市野寺町野寺
- 本證寺本堂
- 講題: 文献資料と聖徳太子絵伝
- 講師: 名古屋大学文学研究科
- 人類文化遺産テクスト学研究センター長
- 阿部泰郎 先生