活動記録

順念寺秋季彼岸の絵解き報告

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秋季彼岸祠堂法要に寄せて

 今回、左右田住職から絵解き説教の出向の依頼を受けまして、期待と不安が脳裏を過りました。それは、今回が初めての絵解き説教の場であったからです。しかも、依頼の手紙が家に着いた時には、題材である『観経曼陀羅』の内容をボンヤリとした事しか理解していなかったので慌てました。
 まず、ご参集下さっている方々に『観経曼陀羅』とは何かと、解りやすく知って頂くためには、私自身が深く理解する事が最優先でしたので、適当な本を購入しページを読み進めました。また、修行道場時代に勉強した、様々な教科書や辞典などを片っ端からコピーしてファイルにまとめました。また、曼陀羅自体がとても細かな図柄となっている上に、内容がとても深く濃いので、聴衆に少しでも解りやすい様にと、「解説之図」と「説相の拡大図」を用意しました。「解説之図」は、B1サイズの紙に全て手書きで解りやすい様にと工夫しました。「説相の拡大図」は、京都のとあるお寺まで買いに求めて行ったものを拡大コピーして、さらに説明書きを加えました。そして、話の構成や内容をどの様に組み立てたら、自分らしく絵解き説教ができるのか。。。あれも話したい、これも話したい、話したい事が沢山ありすぎて、とても30分という短い時間内に『観経曼陀羅』を伝えるのは難しいので、全体の肝(きも)だけに集約する事にしました。気持ちの中では、10分の1位しか喋れなかったけれど、今出来るだけのベストは尽くしました。
 今後、30分1時間1時間30分2時間と、どの様な『絵解き説教』でも対応出来る様にしていかなければいけないと思いました。初舞台を終えて、お昼時や後片付けをしている時に、二組の方にお声を掛けていただきました。゛解りやすい易くて良かったよ゛と。本当に解りやすかったのか、励ましの意味で応援下さったのか。。とにかく゛解りやすい易くて良かったよ゛の御言葉が嬉しく有り難かったです。そして、何より今後の励みになりました。

 私の次にお説教を話された、西川舜優師のお話は、兎に角お話に慣れている印象でした。話のテンポが良く、゛天ぷらとお坊さんは、衣の中身が大事!゛のお話しは特に印象に残っています。また、堂内の端から端まで聴衆に目が行き届いてお話されている姿に、私もあのようにテンポ良くお話が出来る様に成れたら良いなと感じました。

 次に絵解き説教をされた、沓名奈都子師のお話し中は、゛お釈迦様゛の絵伝でしたが、今度は西川師とは対照的な雰囲気で、おっとりと優しく包み込む様な口調が特徴的だと感じました。また、お話のポイントとなる箇所を大きな紙に書いて、内容を聴衆の目に残すというのも、聴衆に対して効果的で解りやすいものだと感じました。

 最後に絵解き説教をされた、梛野明仁師のお話は、゛聖徳太子゛の絵伝でしたが、無線のプロジェクターを駆使してハイテクな道具をつかったり、古典楽器の琵琶を用いたり、聴衆の方が解りやすくしかも、耳でも楽しめるところがとても参考になるものだと感じました。また、絵伝とは多少脱線した内容でも゛聖徳太子゛にまつわる小話を挟む話芸なども、聴衆を飽きさせなくて良いなと感じました。

 最後に、今回の秋季彼岸祠堂法要に出向させていただきまして、学ぶべき事は大変多く実りのあるものでした。ありがとうございました。また、最後までお聴き下さった順念寺のお檀家様、法要を陰で支えて下さっていた大勢の方々、また順念寺の左右田住職さまには、深く感謝を申し上げるしだいであります。

南無阿弥陀仏
坂野 拜

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