月例会活動記録

絵解き座6月(2018年)例会

 絵解き座の2018年6月例会は、安城市本證寺にて開催されました。会場住職の小山興圓氏が寺所蔵の釈迦涅槃図を絵解きされました。絵解きされた掛け幅は二幅もの。桐の箱に入った立派なものでした。添えられた雅号より「道恭」とある。絵画に造詣の深い座員の桝田さんが早速調べてくださって作者が判明。次のような人物でした。
2018/06/06絵解き座例会の様子


❏鬼頭道恭
  天保11年2月生まれ。名は道恭、通称は玉三郎。名古屋本町の平八の子。森高雅に学び、のちに京都に出て、巨勢派の北村季隆に仏画を学び、かたわら岡田為恭について土佐派を修めた。甲斐身延山六角堂内部の装飾に従事した。のちに名古屋に帰り門人を育てた、仏画が得意で、その第一人者と称された。明治37年4月、65歳で死去した。
 ※ちなみに、道恭の師匠である森高雅について調べると次の様な人物でした。
❏森高雅
 尾張において渡辺清とともに土佐派を広めたのが森高雅(1791-1864)である。高雅ははじめ吉川一渓に狩野派を、ついで中林竹洞に南画を学び、さらに歌麿・北斎に師事した牧墨僊について浮世絵、美人画を修め、「玉僊」の雅号で浮世絵師として名声をあげた。しかし、晩年になると土佐光貞の門に入り、土佐の遺風を慕い、有識故実の学を極め、大和絵を加味した風俗画を描いた。
 残された作品も多彩で、尾張名所団扇絵を描いたり、肉筆美人画を描くなど、浮世絵系の墨僊の弟子としての側面を見せる一方で、典雅な色彩の大和絵を描き、南画風の作品も残した。日比野白圭、木村金秋、鬼頭道恭ら土佐派を継承した門人も多い。愛知画家名鑑より

    ◆愛知画家名鑑

  • 発行日:1997年2月10日
  • 著 者:服部徳次郎
  • 発行所:愛知画家顕頌会
  • 内 容:江戸時代以来、著名画家を輩出し多くの文化的遺産に恵まれた愛知県の、近世以降の画家を対象にして著名画家だけでなく幅広く画家の経歴を収録

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